巧みなパスでチーム引っ張る“扇の要”
水戸ホーリーホックの「8番」は、毎年チームの軸として期待された選手が背負っていましたが、ここ3年間は故障の影響などでその選手が十分に活躍できず、その年限りでチームを去るという事態が続いていました。その嫌なジンクスを覆してくれそうなのが、この岩尾選手です。ヤル気を出した生徒会長クラスの実力
先日の開幕戦では勝利にこそつながらなかったものの、巧みなゲームメークを披露。ボランチ(守備的ミッドフィルダー)でコンビを組みはずだったキャプテンの故障欠場の穴を全く感じさせませんでした。次節以降も相手を幻惑するパスワークを披露してくれるでしょう。無理やり例えるなら、去年までの「8番」は戦車の中で干し芋を食べてるだけの角谷杏、今年の「8番」は砲手としてヤル気を出した角谷杏といったところです。必要以上に出しゃばらず、周囲を活かすプレースタイルも、生徒会長としての角谷杏に似ています。主役にはならなくても、実は一番重要な役割を担っているという選手です。
「P40」クラスの補強の目玉
今シーズンは順調なスタートを切った岩尾選手でしたが、プロ生活のスタートは順調ではなかったようです。2011年に湘南ベルマーレに入団したものの、故障などもあり、2013年までの3シーズンは合計で17試合にしか出場できませんでした。2014年シーズンの中盤から出場機会をつかみ、23試合に出場。故障で離脱した主力選手の穴を埋めるなど、チームのJ2優勝とJ1昇格に貢献しました。まだ5年目の選手ですが、すでにプロの世界の酸いも甘いも味わっていると言えます。今シーズンは選手としてのさらなる飛躍を目指して水戸ホーリーホックに期限付き移籍。正直、優勝チームからレギュラークラスの選手を獲得できたことは驚きでした。他に実績のある選手は獲得できなかっただけに、今シーズンの補強の目玉であり、私の中ではアンツィオ高校における「P40」のような存在です。
柱谷監督は常々「自分のサッカーはボランチが軸」と言っています。柱谷サッカーの“扇の要”として、今年1年チームを引っ張り、昨シーズン味わった勝利の味を、水戸ホーリーホックに伝えてほしいです。そして、来シーズンはJ1の舞台で暴れてほしいです。
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